家族と相続の問題
結婚
夫婦関係には色々な形があります。内縁や事実婚といった籍や将来の夫婦関係、親子関係を考えた場合の問題、結婚後の生活の問題といったことについても、弁護士に相談した方がよい場合がたくさんあります。
夫や妻が事故に遭って働けなくなった場合、夫あるいは妻が勝手に借金を作った場合のような夫婦と夫婦外との関係が問題となる場合や、残念ながら夫婦が不仲になったときはどうするのか、夫が生活費を入れてくれない場合、夫又は妻が不倫をしている場合、暴力を振るう場合(DV)というような場合があります。
一足飛びに、離婚ということではなくとも、その前に考えておく必要があることがたくさんあります。
自分の人生設計をどうするのか、別居、離婚、という道をたどる場合はどのように生活をしていくのか、住むところはどうするのか、死後はどうなるのか、母子手当てなどの行政からの援助はどうすれば受けられるのか、いくつかの問題を考えなければなりません。それらの点についても一緒に考えていく必要があると思います。
離婚
個人的には、離婚は結婚の3倍のエネルギーを使うと考えています。そのようなエネルギーがなければ離婚後の生活まで考えた(幸せな?)離婚はできません。相手の気持ち、自分の仕事先との関係、実家や周囲の援助、子供たちとの関係などいくつもの問題を解決していかなければなりません。
法律的な面では、相手が離婚にどうしても納得してくれない場合にも、家庭裁判所が離婚を認めてくれるような離婚原因があるのか、子どもの親権・養育費、婚姻期間中に形成した自宅などの財産をどのように清算するかなど、考えなければならない問題がたくさんあります。
私たちは、皆様と一緒に、最良の解決方法を考えていきたいと思っています。
慰謝料請求
家庭裁判所での裁判で離婚が認められるということは、相手が婚姻という法律関係を破壊したということで違法と評価されるということになります(もちろん、例えば長い別居期間がある場合などはそうではありませんが。)。その場合、精神的な苦痛を受けたことに対する損害賠償として慰謝料請求が認められます。
慰謝料の額は、精神的な苦痛の大きさによって決められますが、具体的には、違法行為の大きさ、婚姻期間の長さ、相手方の資力など様々な要素により左右されます。
財産分与
離婚の際、婚姻期間中に形成した財産(預金や家など)がある場合、一方は、相手方に対し、その財産を分けるように要求することができます。
財産分与も夫婦間の話し合いで決めることができますが、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停や審判で決めることができます。離婚後でも財産分与を請求することができますが、離婚のときから2年以内に請求をしなければなりません。
子どもをめぐる問題
家族生活のなかで、子どもの問題は大きな比重を占めます。
しつけや教育といった子育ての問題、その場合の夫婦間での協力、習い事や学校での問題、実家や相手の両親との関係などいくつもの難しい問題があります。
法律の問題として取り扱うことが良いかどうかわからない問題もありますが、問題点を少しずつ整理して解決に向けて進むということではお手伝いできると思っています。
養育費
養育費とは、子どもが社会的に自立をするまでに必要とされる費用のことです。
親権者とならなかった親にも子どもを扶養する義務がありますので、養育費を負担しなければなりません。 養育費は、双方の親の収入によって算定されます。一度取り決めた養育費も、一方の親の収入など状況が変われば変更も認められます。
養育費についても、話し合いで決められない場合には、家庭裁判所での調停や審判で決めることになります。養育費が裁判所の調停や審判、公正証書で決められた場合、養育費が支払われない場合は、相手方の財産に対し強制執行をすることもできます。離婚後、子供さんの成長に応じて、入学時期などその額を変更する必要が生じることがあります。その場合は、その都度、養育費の変更の話し合いをすることになります。話し合いが難しければ調停を申し立てることになります。
養育費については、取り決めをしないで離婚される方も多いですが、お子さんのためにもきちんと決めておくことが大切です。
親の介護
親の介護も大きな問題です。子には年老いた両親に対する扶養義務があります。
扶養義務の中には介護の義務も含まれています(この意味では介護も法律の問題という面があります)。
子供が複数いる場合は、誰がどういう順番で扶養するのかは、子供たちの話し合いで決められ、話し合いが難しいときは、家庭裁判所での調停や審判によることになります。
また、介護の問題は、施設との関係や成年後見や将来の相続との関係でも考えなければならない問題です。
成年後見、任意後見
成年後見制度とは、認知症の高齢者の方や、精神上の障害により判断能力が十分でない方の為に、財産を管理する後見人などを定める制度のことです。
任意後見とは、将来判断能力が不十分で財産管理ができなくなった時の為に予め管理する人を、予め契約によって定めておく制度のことです。
遺産相続
相続には、相続人の間で、相続する財産をどのように公平に分配するのかという面と、自分の作った財産をどのように残すのが一番良いかを考える、という二つの面があります。
相続税のことも考えながら有意義に財産を残し、家族も残された財産を有効に使うこと、それを考えることです。
遺言書の作成
遺言が無い場合、最終的には故人の遺産は民法の定める法定相続分に応じて相続人に分割されることになります。特定の相続人に多くの財産を残したい場合や、お世話になった人にも財産を残したい場合は遺言書の作成が必要です。
相続人同士での争いを避ける為にも有効な手段です。大切なことは、ご自身の財産ですので、その分割方法について、ご自身の意思をはっきりさせておく、ということが大切です。