弁護士ブログ(日々の出来事)
2020年4月22日 水曜日
今週の1週間(4月13日から17日)
午後は、やり残していた福岡県弁護士会の会史の原稿を書き始めることにするが、まずは資料集めから始める。平成初期の民事訴訟法改正の辺りから読み直しとなるが、掘り起こしていたら、法務省案の説明などが出てくる。30年近く前のことなので、読み始めたら大変である(「面白くて止まらなくなった」とはとても言えない。)。明日から頑張って読もう。
4月14日(火曜日) 当事務所でも時差出勤や在宅勤務を始める。とはいっても、そういうことは、結局、私だけは出てきて、電話番も含めて自分でやる、ということになる。それはそれで仕方がない。おかげで事務所は「密」にはならないし、事務所に行く時間の電車もだいぶ空いてきて快適である。ただ、マスクをしないと白い目で見られるという感じなので、少し困る。昨日からの続きだが、全然進まない。むしろ、読まなければいけないものが増える。判例タイムズなどの専門雑誌掲載分はまだいいのだが、○○弁護士会の裁判所との協議会資料とか言われると、それぞれが結構厚いので、読むには大変である(まだ読んでいないので、大変そうであるというのが正しい。)。
4月15日(水曜日) 今日は、平成13年の内閣に設けられた司法改革推進審議会報告書を読む。とても懐かしい。ただ、その後の平成15年から始まった民事訴訟法改正、裁判の迅速化に関する法律、人事訴訟法、知財高裁設置法、労働審判法、行政訴訟法改正などの法律改正の跡をトレースする気持ちにはとてもなれない。今日は民事訴訟法改正だけにしておきたい(それも、体系書とコンメンタールだけにしておきたい。)。
4月16日(木曜日) 今日からは迅速化法。例の2年ごとの報告書を読まないといけないのか(昨年の分まで入れると8冊になる。)。統計数字だけは読んでおこうと思う(実は、統計数字だけなら「裁判所データブック2019」でも分かるが、都道府県別の数字は、迅速化報告書でないと分からない。)。
こういう資料を読むと、ときどきびっくりすることがあるが、10年ほど前に裁判所に過払金請求事件が大量に起こされた時期があった。資料を見ると、地裁だけだが平成20年の新受件数は全体で23万5508件、このうち過払金関係が14万4468件で実に61パーセントを占めていた(過払金事件以外の件数は約9万件である)。これが3年以上続いた。「過払いの波」である。ところが、平成30年では、総新受件数が13万8443件で、過払金関係が3万8636件で、その割合は28パーセントだった。「過払いの波」が過ぎた後でも、結構な事件数があるということを改めて認識した。ただ、以前の過払金訴訟は、簡単な事件だった(支払いの内容が明確になれば争点は終わってしまうし、取引明細は金融会社側が提出する義務を負っていた)ので、引き直し計算さえ出来れば裁判の終結までには時間が掛らなかった(平成20年の全国の平均審理期間は6,5か月で、「過払金の波」が生じる前の平成17年の9、2か月を相当に短くした。)。平成20年の金銭その他(多くは過払金)事件の平均審理期間は4、8か月だった。平成30年では、過払金分を除く訴訟での審理期間は9,1か月、金銭その他事件は8,0か月となっており、過払金事件も短期間で終わっているというわけではないようである。その理由は不明だが、争点が難しい事件(一連計算をすべきかどうか、時効中断が認められるか、裁判外での過払金支払の合意の効力(その金額が利息制限法に基づく計算額より少ない場合の問題)とかの想像は可能である。
4月17日(金曜日)昨日の続きから。昨日も書いたように、全国の地裁での新受件数は、過払金訴訟を除くと9万件代である。過払金請求事件の多かった平成20~22年頃は、9万件そこそこだったが、平成29年は10万件をこえ、30年も9万9807件と10万件に迫った数字になっている。このことは、訴訟による解決について、国民が多少でも見直してくれたということなのか。国民が、裁判所に対して紛争を解決する機関として認識してくれたと考えるべきなのか、少し興味深い。今日から例の会史を少し書き始める(今日は3000字でお終い。3万字までなのでかなり先は長い。)。
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2020年4月11日 土曜日
今週の1週間(4月6日から10日)
午後は、ロータリーでの記念誌の編集会議。7名程での会議だったが、ここでも、コの字型の机配置にそれぞれが空席を置いて離れて座るという形を取った(2メートルまでは離れていないが)。1時間ほどで終了したが、中高年の集まりなので、感染した場合の危険を避けるということを考えたことになる。正直なところ、それにどれだけの意味がある、と思ってしまうのは私の勝手であり、危険に対する認識の甘さということになる(「コロナの負けるな」と、コロナを擬人化する発想はどうかと思うが-そういう考え方は「不撓不屈の精神で乗り越えろ」のような精神論に陥りそうであるーだからと言って、「自分だけは大丈夫」というのも、根拠にないもの(見えないから怖さを感じないという意味で事実を見ようとしないという発想である。)。
そうは、言いながら、専門家ではないので、なんとなく言われているものを自分なりにかみ砕いて、自分の行動を律するしかない様である。
4月7日(火曜日) いよいよ、緊急事態宣言が出され、福岡県もその対象地となる。問題は事務所をどうするかであるが、従業員に対する雇用主の安全配慮義務の問題となる。先週、事務所の入居しているビルの別の会社の従業員に感染者(陽性者)が2名出たということもあり、どうしようかという話になった(一応、階が違っていて接触の可能性は低いということから、その時点での対応はとらなかった。)。裁判所からの事務連絡を待っているところもあり、そうなると、事務局の自宅待機も難しそうである(顧問先からの問い合わせには、私が対応すれば何とかなる)。
4月8日(水曜日) 緊急事態宣言を受けて、裁判所から期日の取消しの連絡が入る。裁判所では、裁判官、書記官の当庁者を半減させている、ということらしく、また、裁判所にも例の「3つの密」の防止という観点からか、法廷も開かないということのようである。どうも、傍聴者の存在が前提の弁論期日だけでなく、傍聴者のいない弁論準備についても期日を取消している(刑事は、身柄拘束事件を除いて期日を取り消しているようである。)。この結果、緊急事態宣言の対象が5月6日までとされているが、そこから、新たな期日指定ということになると、初回期日は原告代理人の都合と合わせることで決められるが、双方の出席が前提となる弁論準備期日では、相当に次回の期日が遅くなる可能性がある。2か月後という指定も考えられるが、そうなると夏季休廷期間もあるので、場合によれば8月下旬になるということも考えられる。
4月8日(木曜日) 福岡県弁護士会の冊子委員会の4名によるグループ討議。コロナの関係もあり、スカイプでの会議とする(実は初めての試み)。4名の接続までに結構時間が掛かった。資料はドロップボックスで前もって提供されており、それをプリントアウトして会議を行う。それぞれのパソコンの置かれている環境により、マイクが事務所内の雑音を拾うなど聞き取りにくいところが生じる。ミュートをかなり頻繁に使わないとスムースな進行は難しいのかもしれない。今回は、年長者の私が進行役を務めたことや、全員が冊子編集という同じ目的のための会議だった関係(法廷のような敵対関係にはない)で難しい問題はなかった(二人が同時に話し始めるということがなかったし、4か所接続という数の少なさが、それぞれきちんと議論に参加するという点でも問題を起こさない範囲だったと思う。)。
しかし、IT化が始まった後の裁判のように、対立する当事者の場合は、進行役の裁判所が仕切りをどうするか、あらかじめ準備しておく必要があるように感じる(毎回の期日がもめるとは思っていないが。)。
緊急事態宣言を受けて、私が通っているジムも4月10日から休止になることになった。今日は最後のジム通いということで、早めに帰ることにする。
4月10日(金曜日) 緊急事態宣言の出ていない県の裁判所から緊急事態宣言中の期日の進行について問い合わせがあった。電話会議での出席なので、可能かという問い合わせだった。もちろん、問題がないと答えたが、緊急事態宣言の対象でない地区の裁判所でも、東京、大阪などの弁護士が代理人となっているケースも多いと思う。それを個別に聞いていく作業は大変かと思う(群馬県や栃木県では東京の弁護士が代理人となっているケースは多いと思う。奈良、和歌山、滋賀も同じではないかと思う。)。
午後、裁判所が、訴訟事件だけでなく、破産事件、民事再生事件などの進行中の事件で、報告書の提出期限が5月6日までとされている事件についても、この期間は手続を進めないという扱いをするという連絡が入る。
これで、事務局も事務所に出勤する必要性がかなり減少した。9日から一部では自宅での作業をしてもらうという扱いとし、通勤の際の接触を避けるということで時短にもしていたが、さらに対策を取れるようになった。
来週、どの程度事態が進展するかは不明だが、少しずつ、コロナの影響による事件(例えば、法務局での登記事務が遅れていて、建物の表示登記が遅れるため住宅ローンのための抵当権設定登記が遅れることで融資が遅れ、建物の引き渡しが遅れる、家賃が発生するなど)が出てきている。
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2020年4月 4日 土曜日
今週の1週間(3月30日から4月3日)
ということで、今日も事務所内の作業になる。裁判所は移動の時期で裁判の期日が入ることが少ないので、我々も結構時間の余裕がある。何となく、記録の整理などで終わってしまった一日だった。
3月31日(火曜日) 今日で2019年度は終わる。今年になって最後の3か月は新型コロナの問題で追われてあわただしかった。コロナの問題は、終わってもいないどころか、まだ相当長い期間続きそうに思う。マスコミが今日の発症者の数を発表することで、まるで営業日報を聞かされるよう思い、逆にいつになったら国内で3000人になるのか、など不謹慎な予測をするようになり、興奮状態にあるように思う。そういう私もついついその数字が気になってしまう。
ただ、それも、身近に発症者を知らないからで、見えないウイルスの恐怖を感じるというより、見えないものにおびえるな、というような妙な安心感で対応しているような気がする。考えてみれば、ゴジラは口から放射能の吐く怪獣なのだが、小さいころは、放射能の恐ろしさを感じることができず、ゴジラが放射能の吐くシーンを見ても、ゴジラがなにか怒って叫んでいるといった程度しか感じなかった(見えない放射能に対する恐怖は分からなかった。映画では途中から放射能に色を付けるようになったことで、恐ろしさを表現するようになったと思う。)。
見えないものに対する感覚は、一方では、繊細な心にしか感じられない(例えば、伝統や微妙な感覚により生じる感受性)が、他方で、幽霊などに対する理由のない恐怖心(あるいは権威に対する無理由の追従も)など、理性の対極にあるもので乗り越えないといけないものでもあった。そのた目、その本質を見つけるさいには、しっかり目を開けて恐怖心を振り払うということが必要だし、若い人(精神)にはそれが必要だと考えられてきたように思う。ところが、コロナウイルスに対しては、見えないものに対する正しく恐れる力が必要だということであり、やはり結構難しい。等と考えている。
4月1日(水曜日)雨が強く、結構ブルーな新年度の始まりとなった。事務所に行ったら、新年度の弁護士会の委員の選任通知が来ていた。従来と同じ、福岡県弁護士会では民事裁判員会、IT化検討WG、九弁連では、民事に関する連絡協議会といったところに、新しく懲戒委員会委員に選任された。それまで予備委員で特にやることがなかったが、正式な委員になると大変なようである。弁護士会の会規を見ると、弁護士会員11名、裁判所、検察官各3な、学識経験者4名の計21名で構成される。もちろん、内容は非公開である。
せっせと今やれる作業(たまっていた書面の作成や完了した事件の記録の整理)を行う。
4月2日(木曜日)昨日は、帰りに利用している西鉄電車に事故があり、新年度早々なのに、という気持ちになったが、今日は朝、人身事故でまた遅れることになった。私が利用するのは8時台で、事故から2時間以上が経過していたが結構遅れた。途中の駅での混乱や混雑が予想されたが、コロナウイルスのせいで学校がなく、中学生や高校生がおらず、テレワークなどが進んだためか、そんなには混まなかった(というより、最近は電車が混まないという自覚はあったが、朝の通勤時間帯での事故の影響があってもこの程度かというのは少し驚きだった。
このところ、コロナウイルスの課題ばかりだが、これに罹って治った著名人が、とコロナウイルスにり患して申し訳ないと話していた。発言の趣旨が、隔離されたため、部下や組織の人に迷惑をかけた点を謝っているなら理解ができるが、コロナウイルスに罹ったこと自体を謝っているとしたら、それは違うだろうと思う(もう、現在の時点では、だれが感染者なのかは分からない。自覚症状のない陰性の人が多くいるのだから、そういう人と接触したことで発症したことを謝るのは無理であろうし、社会がそういうことを求めてはいけないと思う。)。
4月3日(金曜日)当事務所で入るビルの別の階の会社の従業員がコロナウイルスを発症したという連絡が入った。そのため、昨日夜、各階の廊下、洗面所などの共用部分については消毒したとのこと、また、対象者は先週の発熱後、自宅待機となり、4月1日の検査で陽性が確認されたということで、濃厚接触者とされる人には症状が出ていないということだった。当然だが、雇用主には、従業員に対する安全配慮義務がある。具体的にどのような段階に達したら、どのようにするかを早急に決めておく必要がある。まあ、このため、今日予定されていたお花見昼食会は中止になった。残念だが仕方がない。ということで今週は終わる。
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2020年4月 4日 土曜日
今週の1週間(3月23日から27日)
3月23日(月曜日) 3連休後の月曜日。東京ではコロナウイルス自粛ムードのゆるみが、急に言われるようになった。イタリアやスペインの状況が報道されることで、日本での気の緩みが言われるようになった気がする。そうは言いながら、年度の最終週になった。午前中に法廷が1件。電話会議を利用したものとなった。裁判官の移動があるため、次回以降の大まかな進行ついての日程決めといった程度で終了する。書記官に聞いたら、担当書記官も移動ということで、この事件は落ち着くまで少し時間が掛りそうに思う。昼はロータリーもなく(しばらくはなさそう)、ロータリーの地区大会関係では何らかの記念誌(いずれにせよルーティンの年報は必要)を作るということでの打ち合わせ。大会の替わりになる記念誌てきなものを作るという案も出るが、そこまで頑張らなくても良いという話もある。また、この辺りの意思統一が難しくなりそうである。夕方からはロータリーの関係での会合(3つの密に反する会合になってしまった。)。まあ、飲食店経営の会員に元気をつけてもらうため、という名目だが、考えてみると、こういう会合がたくさんある場合、そのどれかではクラスターになっているかもしれない。
3月24日(火曜日)今日は、当初は日弁連のIT化WGが予定されていてそれに出席の予定だった(本当は25日には日弁での建築訴訟に関する研修が予定されており、それも直接聞きたいとは思っていたが中止になった。)が、取りやめてスカイプでの参加となる。午後3時から6時までスカイプでの参加はやはり苦しい。自分の担当部分が来るまでじっと待つという感じになる。日弁連の会議では、資料はメールで送られてくるのでそれを印刷あるいは画面で見るということになるので、メールの資料はそのままデスクトップの画面で見ながら、スカイプは別のノートで対応したいと思っているが、今回もそこまでできず、紙への印刷で対応することになってしまった。
3月25日(水曜日)午前中は、事務所で作業し、午後は、建築紛争の事件で裁判所へ。福岡地裁に建築集中部が出来て2年目なので、進行がどうなるのか分からない。比較的早い段階で付調停になると思うが、双方からの書面が出そろった時点で調停に移るように聞いている。争点がある程度揃った時点でどのような調停委員を選ぶのかを決めるつもりかと思うが、そうすると夏季休廷期間を考えると調停委員を選ぶもが6月から7月となり、調停初回が9月になる可能性がある。これからの進行のスピードがどうなのかという問題もあるが、裁判官も来年は移動ということのようなので、調停に移行してからどの程度で終わるのかは分からない(半年で終わって欲しい)。裁判所には、次回の期日に、その次の期日から調停に移行するくらいの判断をして欲しい。裁判所にその辺りを理解してもらうためには、答弁書で事実関係を含めて争点をできるだけ詳細に明らかにしておく必要がある。また、初回期日では、詳しい答弁書とともに、この事件の全体的な構造を明らかにして、その争点の判断には早期に専門的な知識が必要となると理解してもらう程度の発言をする(当然、次回期日までには、その辺りをさらに詳細に明らかにする、と発言した。)。
そういうことなので、少し集中して1回目の準備書面を欠く必要がある。
3月26日(木曜日) 昨日の続きで、送られてきた建物の瑕疵の部分の写真を見るが、建物の構造が複雑で、被写箇所のイメージがつかめない。このため、午後から現地を案内してもらう。現地を見るとなんとなく分かったような気がするが、写真の説明文を作るためには、結構苦労しそうな気がする(実際、やはり、聞いていた説明と被写場所が違うというのが結構あった。)。そういうことで、今日は終わる。
3月27日(金曜日) 午前中は、昨日のものの整理で終わる。準備書面を書き始めるが、ある程度(20枚)の枚数になりそうである。午後は、3者通話による手続。この事件も裁判官が3月末で移動になる。少し先の期日を決めることで終わってしまう。これで、今年度の作業はほとんど終わってしまうことになった。早めに帰ることにする(ジムに行ったが、閑散としていた。その分、快適だったが。)。
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2020年4月 4日 土曜日
今週の1週間(3月16日から19日)
3月16日(月曜日) 午前中は破産申立ての相談。飲食店だが、そろそろ新型コロナウイルスの影響による倒産や危険が現実化してくるように思う。昼のロータリーの会合もなし。今のところ、コロナウイルスのための「自粛」と言っているが、本当は「自粛」は言っていられなくなるように思う。午後は、先週からの建築訴訟の検討を続ける。設計図などの資料をたくさん貰ったが、当然よくわからない。建築確認の際に必要な分と、注文者が考えていた建物に対する思い(気持ちという意味ではなく、こういう家にしたいという設計思想)の詰まったその他の図面の両方を見て、どういうようなイメージの家にしたかったのかを考えるが、それが各種の図面か読み取れるのか分からない(それが分かるなら建築家になれている?)。それでも何度か説明を聞いているうちに、分かるような気になるところもあるが、弁護士として、それを裁判所に分かるように説明するのはやはり難しい。
3月17日(火曜日) 午前中は、うちの事務所での冊子検討委員会。3人の若い弁護士に協力をお願いしているが、皆さんとの打ち合わせ。1時間程度で終了。それぞれの訴訟事件での経験を聞いてみる。相手から受け取る訴状や準備書面、陳述書などが具体的にどうかという点である。色々聞いた中では、やはり、準備書面の1週間提出は守られていないことが多いこと、陳述書については、やはり訴状や準備書面を「ですます体」に変えた程度というものがあるようである(ただし、離婚事件の多い弁護士の場合)。そもそも、一般の事件では人証調べまで行くケースが少なくて、陳述書を作ることが少ないという話になった。そういえば、人証調べまで行くケースは少なくなったように思う。以前は、1か月に1回はない、といった程度だったように思うが、最近は半年に一度くらいに減ったように思う。
午後は、建築の件の依頼者に来てもらい、昨日図面を読みながら疑問に思った点を尋ねる作業で終わる。
3月18日(水曜日) コロナウイルスの関係で色々な会合がなくなり、事務所で作業をすることが増える。気が付いたら、あと2週間で新民法の施行となる。これまで、これを意識して事前の対応を準備する部門の人からの相談については、一般的な事項や必要な書式、さらには関係しそうなマニュアルの作成などには対応してきたが、今後の突発的な相談の際に、相談者に新民法の意識がない場合にどうするかは、こちらがそれに気が付くかという問題であり、結構、後日、間違えたということに気が付くということがあるように思う。
とりあえず、建築訴訟については答弁書を作成して提出する。
3月19日(木曜日) 午前中は裁判所へ。和解が成立。転勤する裁判官の係の事件だったので、和解ができてほっとする。建築訴訟で平成29年の事件だった。結局2年半かかった。物件は店舗で、こちらが建築会社で未払い請負代金の支払いを求めるという事件で、訴え提起の時点で問題点をつぶしておいた積りだったが(建築途中で手直しを求められた箇所は補修をしていた)、争点が手直し要求にへの対応のため完成が遅れたとして遅れたことによる営業損失、また設計段階で、店舗のデザインに対する施主側の意向の聞き取りが行われておらず、施主の満足する設備になっていないというあたりの評価が問題になり(法的なこれを法的にどのように評価できるかが問題になる。設計者の聞き取り能力の評価が、法的にどのように可能なのか、費用をかければグレードを上げることができるが、そのあたりの聞き取り能力としてどの程度までを説明する必要があるのか、一般的な店舗設計における中等程度という概念が具体的にはどのようなものになるのか等)、長引いてしまった。とりあえず、訴額に近い程度の金額で和解が出来て良かった。
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